痔瘻の治療法の原則は手術です。痔瘻の原因となっている肛門内の原発口(入口)と瘻管(膿の通り道)と出口(2次口)を含めて切除します。
瘻管は括約筋を貫いているので、大きく切除しすぎると括約筋を損傷しますが、小さく切除しすぎると不十分な切除となり痔瘻が再発します。解剖や痔瘻の型を十分理解して、
過不足のない、再発の少ない手術が必要です。そのために十分な知識や経験が求められます。
痔瘻の型、瘻管の走行、括約筋との関係を見極めながら、1例1例に対して注意深く手術します。痔瘻の手術は千差万別です。
原則は、
- 痔瘻の入り口を確実に処理して再発しない手術をすること
- 括約筋を損傷しないこと
- 術後の痛みの少ない術式
です。
切開解放術
瘻管を括約筋とともに切り開く手術です。再発の少ない術式ですが、瘻管の深さや場所によっては、括約筋のダメージが大きくなることもあるので注意が必要です。
くりぬき術
瘻管だけをくり抜いて、括約筋を温存する手術法です。括約筋のダメージは少ない術式ですが、上の切り開く方法よりは少しだけ再発の危険が高くなります。
シートン法
瘻管にゴムなどを通して、瘻管をゆっくり時間をかけて切除していく方法です。切除とともに奥から傷が治っていくので、括約筋のダメージは少なく、再発も少ない手術法です。入院期間は短くてすみますが、ゴムがとれて傷が治るまで2〜3か月と比較的長時間を必要とする方法です。
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