裂肛(切れ痔)について
裂肛(切れ痔)は女性に多く、男性:女性=1:5位です。切れ痔には硬い便の排出により肛門上皮が切れてできる
急性裂肛と急性裂肛が再発を繰り返し肛門括約筋の緊張が加わって慢性の経過をとる
慢性裂肛があります。慢性裂肛には肛門ポリープや、肛門皮膚の腫れを伴うこともあります。
裂肛の治療法
痔は生活習慣病です。便秘、下痢、ストレス、アルコールなどで便通が乱れると切れ痔になりやすくなります。
切れ痔の予防、治療の第一歩は便通を整えることです。便秘の予防法のために便意を抑えず、すぐにトイレに行くことです。若い女性は便秘が多く見られますが、便意を抑えることが便秘の始まり、さらには切れ痔の始まりになっているように思われます。大部分の切れ痔は手術をせずに坐剤や軟膏で直すことができます。
急性の裂肛は便通を整え、適切に軟膏を使用すれば、手術をしなくてもほとんど治ります。しかし、生活習慣病である裂肛は油断をするとすぐに再発します。
慢性化して肛門潰瘍になったり、肛門狭窄や痔瘻を合併すると手術が必要になります。
裂肛の手術
裂肛には保存的治療(手術をしない治療)が原則ですが、以下の場合手術が必要となります。
・肛門狭窄
・痔瘻を合併
・保存的治療で治らず慢性裂肛になったもの
・肛門ポリープや皮膚の腫れを合併
- 内括約筋切開
|
緊張の強い、肛門括約筋の一部を切開して緊張を和らげる手術。1〜3日間の短期間入院で手術可能。 |
- 裂肛切除術
慢性の肛門潰瘍や痔瘻を合併した裂肛などに行う。
- 皮膚弁移動術
保存的治療で治癒した後や、手術療法で根治した後でも、裂肛が再発することがあります。(20%位)便秘や下痢に十分注意して、再発予防に努めましょう。
肛門科・外科についてTopへ