直腸脱(ちょくちょうだつ)
直腸脱とは、肛門から直腸が脱出する疾患です。女性に多い傾向があります。
はじめは手で戻せますが、徐々に脱出している時間が長くなり、進行すると常に脱出した状態になります。脱出したまま放置すると、肛門機能が悪くなるため(便もれが治らなくなる)、早めの治療が必要です。
症状
便もれ、粘液もれ、出血、痛み、違和感など
歩くことが辛いほどの痛みを訴える方もいます。
治療
直腸脱は自然に治ることがありません。治すためには手術が必要です。
直腸脱の手術には、おなかの中から行う手術(経腹手術)と、肛門側から行う手術(経肛門手術)があります。
手術方法は患者さんの状態や、直腸脱の程度によって使い分けます。当院では両方の手術が可能です。
(※経腹手術と経肛門手術の両方を日常的に行っている施設は、全国的にもほとんどありません。)
経腹手術:腹腔鏡下直腸固定術(Laparoscopic Ventral Rectopexy:LVR)
4-5か所の小さなキズで手術を行います
直腸のまわりをはがしていく
ぶらぶらになった直腸をつり上げて、正常な位置に戻す
経肛門手術@:デロルメ法
直腸の粘膜をはがす
可能な限り粘膜をはがす
筋肉を縫い縮める
糸をしばると直腸が元の位置に戻っていく。粘膜同士も縫合する。
経肛門手術A:三輪-Gant法
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