香川県高松市で120年以上続く大腸肛門科病院 医療法人和光会 前田病院

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便漏れ(便失禁)

便漏れ(便失禁)とは、自分の意思とは関係なく便が漏れる、ガスが漏れる、 下着が汚れるなどの症状がみられる状態です。

「少し下着が汚れる」「おならと一緒に便が出る」「トイレまで間に合わない」など、 症状の出方は人によって異なります。 年齢のせいと我慢される方もいますが、原因を確認し、治療や生活上の工夫で改善を目指せる場合があります。

便漏れは、下痢や軟便だけでなく、肛門のしまり、直腸の働き、骨盤底のゆるみ、 直腸脱や骨盤臓器脱などが関係していることがあります。 一人で悩まず、症状が続く場合はご相談ください。

便漏れでみられる主な症状

便漏れ(便失禁)でみられる主な症状
便が漏れる 気づかないうちに便が漏れる、トイレまで間に合わないなどの症状があります。
ガスが漏れる おならを我慢しにくい、ガスと一緒に便が出てしまうことがあります。
下着が汚れる 少量の便や粘液が付着し、下着が汚れることがあります。
便意を我慢しにくい 急に便意が起こり、トイレまで間に合わないことがあります。
残便感 排便後も便が残っている感じがあり、後から少しずつ漏れることがあります。

便漏れの原因

便漏れは、便の状態、肛門のしまり、直腸の働き、神経、骨盤底の状態など、 複数の要因が関係して起こります。 加齢、出産、手術後の変化などが関係することもあります。

便漏れと関係しやすい要因
便の性状 下痢や軟便では便が漏れやすくなります。 下剤の使用により便がゆるくなっている場合もあります。
肛門のしまりの低下 肛門を締める力が弱くなると、便やガスを我慢しにくくなります。
便を出す力の低下 便を十分に出しきれないことで、排便後に残った便が漏れることがあります。
直腸の容量低下 直腸に便をためる力が弱くなると、便意を我慢しにくくなることがあります。 直腸の手術後などにみられることがあります。
知覚・神経の障害 直腸や肛門の感覚が鈍くなると、便がたまっていることに気づきにくくなることがあります。
骨盤底のゆるみ 出産や加齢などにより骨盤底の筋肉が弱くなると、便漏れや骨盤臓器脱を伴うことがあります。

便漏れと関係する病気

便漏れは単独で起こることもありますが、直腸脱、直腸瘤、子宮脱、膀胱瘤など、 骨盤臓器脱を伴っていることもあります。 また、過去の肛門手術や痔瘻の術後、出産後の変化が関係することもあります。

便漏れの原因は一つとは限りません。 便の状態だけでなく、肛門のしまり、直腸や骨盤底の状態を確認することが大切です。

診察・検査について

診察では、便漏れの頻度、漏れる便の状態、ガスもれの有無、便秘や下痢の有無、 出産歴、手術歴、直腸脱や骨盤臓器脱の有無などを確認します。

便漏れで行う主な検査
大腸内視鏡検査 大腸の腫瘍や炎症など、便通異常や出血の原因となる病気がないかを確認します。
肛門超音波検査 肛門を締める筋肉の状態を確認します。 括約筋の損傷や薄さなどを調べることがあります。
肛門内圧検査 肛門を締める力を測定します。 肛門のしまりがどの程度保たれているかを確認します。
排便造影検査 造影剤を排出する様子を確認し、腸管のたるみや骨盤臓器脱の有無を調べます。

便漏れの治療

便漏れの治療では、まず便の性状を整え、漏れにくい状態を目指します。 あわせて、肛門や骨盤底の筋肉を鍛える治療、必要に応じた手術治療などを検討します。

便漏れの主な治療
内服薬 下痢や軟便を整え、便を漏れにくい状態に近づけます。 便秘や下剤の使用状況も確認しながら調整します。
生活習慣の調整 食事、排便習慣、下剤の使い方などを見直し、便通を整えます。
骨盤底筋トレーニング 肛門や骨盤底の筋肉を鍛え、便やガスを我慢しやすい状態を目指します。 継続して行うことが大切です。
バイオフィードバック療法 肛門を締める感覚や力の入れ方を確認しながら、骨盤底筋トレーニングを行います。
手術 直腸脱や骨盤臓器脱など、便漏れに関係する病気がある場合は、手術を検討することがあります。

当院の便漏れ診療について

当院では、便漏れの症状を「年齢のせい」と決めつけず、 便の性状、肛門のしまり、直腸や骨盤底の状態を確認しながら治療方針を検討します。

便漏れは、薬だけで改善を目指せる場合もあれば、 骨盤底筋トレーニングやバイオフィードバック療法を組み合わせる場合もあります。 直腸脱や骨盤臓器脱が関係している場合は、手術が必要になることもあります。

診療で大切にしていること

  • 便漏れの頻度、便の性状、ガスもれや下着の汚れの有無を確認します。
  • 下痢、軟便、便秘、下剤の使用状況を確認します。
  • 肛門のしまりや骨盤底の状態を確認します。
  • 内服薬、骨盤底筋トレーニング、バイオフィードバック療法などを組み合わせて治療を検討します。
  • 直腸脱や骨盤臓器脱を伴う場合は、手術の必要性も検討します。

受診の目安

次のような症状がある方は、一度ご相談ください。

  • 便が漏れることがある
  • ガスが我慢しにくい
  • 下着が便や粘液で汚れる
  • トイレまで間に合わないことがある
  • 排便後に少しずつ便が漏れる
  • 下痢や軟便が続いている
  • 下剤を使うと便が漏れやすい
  • 直腸脱や骨盤臓器脱を指摘されたことがある
  • 出産後や手術後から便漏れが気になる

便漏れは、生活の質に大きく関わる症状です。 恥ずかしさから相談しにくい方もいますが、原因を確認することで治療の選択肢が見つかる場合があります。

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